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ジャンヌ(字幕) シネマ動画
ジャンヌ(字幕)の解説
ジャンヌ・ダルクの救国の戦いから異端審問、そして刑の執行を描く華麗なる心理活劇。凋落する現代世界に対峙する、愛と神秘の来るべき救済論!
ジャンヌ・ダルクとは何か?カトリックの聖女。あるいは魔女。神の恩寵を受け祖国を救う愛国的英雄。民衆を鼓舞する革命の偶像。異端審問の末に火炙りにされた男装の女騎士。フランス国民劇の受難のヒロイン。
15世紀フランスに実在した少女の物語は、様々な領域で幾度も題材にされた。映画史においても枚挙にいとまがない。メリエス、ドライヤー、セシル・B・デミル、フレミング、プレミンジャー、ロッセリーニ、ブレッソン、リヴェット、ベッソン…歴々たる映画作家たちがこの「歴史劇」の古典に取り組んでいる。メロドラマとして、社会風刺劇として、スリル満点のスペクタクルとして、恐れ慄くような美/崇高に迫る実験作として。フランスのみならず世界中で作られてきた「ジャンヌ・ダルク映画」。その最新の変奏が本作である。
監督は、現代フランス映画において一筋縄ではいかない挑発的な作品を発表してきた鬼才、ブリュノ・デュモン。原作は、シャルル・ペギーの劇作『ジャンヌ・ダルク』(1897)。ペギーは、ジル・ドゥルーズ、ヴァルター・ベンヤミン、ジャン=リュック・ゴダール、そして須賀敦子らを魅了したカトリックの詩人・思想家であり、ジャンヌ・ダルクがイギリス軍から解放した都市オルレアン出身。デュモンは、ジャンヌ・ダルクの生涯を特別な想いを持って描いたペギーの詩劇を、仰天ともいうべき演出・手法によって、全二部構成の映画作品に仕上げた。
後半『ジャンヌ』では異端審問と火刑までを描く。馬術ショーのような戦闘場面。言葉が累積し充満する裁判場面。あまりに奇想天外な相貌を見せた前半『ジャネット』と打って変わり、様式的な画面と白熱の議論に彩られた、サスペンスとアクションが展開する。『クレールの膝』『飛行士の妻』などエリック・ロメール作品で知られる、ファブリス・ルキーニがフランス国王シャルル7世として出演。フランスの歌手クリストフが劇伴の作曲を担当。異端審問の陪席者の一人として出演しつつ、物語を案内するようにその美しい歌声を聞かせている。
神話でも伝説でもなく、今、この時に目の前で起こる現実の出来事としてジャンヌ・ダルクが立ち上がる。私たちを震撼させ、呆然とさせ、途方もない地点へと連れ去る、来るべき映画の誕生。
【キャスト】
ジャンヌ・ダルク:リーズ・ルプラ・プリュドム
シャルル7世:ファブリス・ルキーニ
ギョーム・エヴラール:クリストフ
【スタッフ】
監督:ブリュノ・デュモン
製作会社:3B Production
原作:シャルル・ペギー「ジャンヌ・ダルク」
脚本:ブリュノ・デュモン
音楽:クリストフ