第一回
■解説
息が詰まるやうなこの小さき町の片隅で
崇高なる書物の内に響き渡る叡智の羽音だけが
おれの精神(たましい)に安らぎと尊厳を与える。
ああ、だが、きみよ、
おれの運命の女よ、
静謐な賢者の柩をこじ開け…
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惡の華の解説
息が詰まるやうなこの小さき町の片隅で
崇高なる書物の内に響き渡る叡智の羽音だけが
おれの精神(たましい)に安らぎと尊厳を与える。
ああ、だが、きみよ、
おれの運命の女よ、
静謐な賢者の柩をこじ開けて
その馨しき禁断の蕾が零れ落ちるとき、
陰鬱な戀の火焔が揺蕩ひて
狂はむばかりの堕落へとおれを追ひ立てるのだ。